まずは東京大学 大学院農学生命科学研究科 農学国際専攻 国際情報農学研究室 教授 の溝口 勝先生が昨年12月11日に地元JAの放射性物質と農畜産物に関する研究会にて教えていただいた事をベースに、私がこの福島で生活して勉強して理解している事を書きたいと思います。
なぜ 福島県の水道水は、測定しても放射性物質が検出しないのか?
まず 県及び国が測定している放射能測定の結果は基本的に嘘 偽りはありません! ここは安心して大丈夫です!(野菜や果物は採取する場所や物に片寄は見受けられるようですが。。。)
ではなぜ、河や池・沼などの泥の測定では放射性物質が検出され、その同じ所から採取した水道水には検出されないのか? なぜ米の放射能測定では、検出される所とされない所がでるのか?
これらは実は全て “粘土” のお陰なんです!!
“粘土” とはなにか? 溝口先生は私達に解り易く教えてくれました。
「土は何から出来ているかというと、土粒子と水と空気でできています。その土粒子は大きさによって3種類に分かれ、ペットボトルに土と水を入れてシャカシャカ振ると、大きな粒子の土が先に沈み、小さな粒子は後から沈みます。
大事なのは後から沈む“粘土” なんです!」
“粘土”の表面は電気的にマイナスになっている、下敷きで服を擦ると静電気が起きてくっつのと同じように、“粘土”の表面がマイナスになっているので、それを打ち消すようにプラスのイオンが粘土の表面にくっつこうとします。 たとえばカルシウムはCa+ プラスのイオンですからそれが “粘土-” の表面にくっついている。
これが、農家の人達の田んぼや畑で、肥料分であるチッソ・リン酸・カリなどの陽イオンを、 “粘土マイナス” の表面に吸着された状態で土壌に残り、植物が根を伸ばし、毛細根から吸収されて植物が育ちます。
これは難しいのですが簡単に言うと、カルシウムCa+とセシウムCs+と “粘土-” をさっきのペットボトルにいれてカシャカシャ振る実験をすると、通常ならマイナスの粘土に カルシウムCa+ と セシウムCs+ が半々位の割合でくっつけばいいやと思うが、なんと実際はほとんど セシウムCs+ しか粘土の表面にくっつかない!!
“粘土-”には カルシウムは追い出され、 セシウムCs+ だけが吸着される性質がある。
しかもその割合がものすごくて、粘土にカルシウムが1個吸着されていれば、 セシウムCs+ は
10の16乗個の数 いっぱいありすぎて数えきれない位 “粘土-” の表面に セシウムCs+ が吸着されます。
田んぼや河に 粘土- があり、そこにセシウムCs+が来ると今まで付いていた陽イオンが、全て叩き出し、 セシウムCs+ が吸着される! これが今の問題の本質です。
これらはアメリカの友達(粘土表面科学の権威であるCliff Johnston 教授(アメリカパデュー大学;元アメリカ粘土学会長)が調べたことで、粘土の表面には、一見真っ平にみえる所に6角形の穴ぼこがあいている まぁ落とし穴ですね、その落とし穴にこの セシウムCs+ がポンと入ってしまう! しかも セシウムCs+ の直径 大きさが、この穴とほぼ同じ大きさで、一度入ってしまったら抜けなくなる。 セシウムCs+が 粘土- の表面の落とし穴に落ちて外れなくなっているのが今の日本の セシウムCs+ 状態です。
(ここまでの下線は私の追記した文です。)
溝口先生が仰るように、粘土の落とし穴に閉じ込められたセシウムは簡単には外れない状態で沢山吸着されています。
私達のこの日本は、海に囲まれ沢山の山があり、梅雨の時期や台風などで強い雨が降ると河川が黒く濁り 濁流がながれます、昨年の台風でも私は浸水した郡山地区をテレビで見て、被害にあった人達には大変申し訳ありませんが、放射能を洗い流す、恵みの台風だと見ていました。
実際子供の時から遊んでいる地元の久慈川でも、大雨の濁流の後には、そのまま飲んでも大丈夫じゃないか?と思うくらい綺麗に石の苔や泥もなくなります(これは海にセシウムが流ていってしまうということなんですが。。。)
ですので、現在 福島の河から取る水道水からは、セシウムが検出されないとのことです。
また福島の米にあまりセシウムが検出されないのは、ほとんどの田は、河川から水をくみ上げますし、田んぼに粘土は意外と多いんです、今検出されている所は、ほとんど砂利田とよばれる、粘土が少なく、水も山からの湧水等を利用している田んぼだそうです。
また検出された田の土壌のカリの量を調べると、通常の田は粘土により、カリが吸着されてあるそうですが、カリが土壌に残っていない(粘土がないのでカリが流出してしまう)田だそうです。
3時から書いたこのブログも、もう朝の7時 まだ中途半端ですが、ここで筆を置きます。
最後に汚染された地域の為に、日夜活動されて下さる溝口先生に心より感謝いたします。
今は農家の皆さんの為に、いかにして作り土を残して、このセシウムを土壌から除染するか、農地の冬季の凍土(粘土)を取り除染する作業など、飯館に来て実験し、インターネットで発信してくれてります。
先生のHP ミゾラボ http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/mizo/mizolab_about.html
福島土壌除染技術 http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/mizo/edrp/fukushima/fsoil/index.html
ツイッター名 溝口勝
ちなみに私のツイッター名 ヒデル
溝口先生の上記 福島土壌除染技術の中の参考資料に
参考資料: 土壌の放射能汚染と農作物への影響(9.5M)
という 東大の農学生命科学研究科 の宮崎教授も素晴らしい内容です!
井戸水の汚染について書いてあります、ぜひ参考にして見て下さい!
藤田礦業株式会社
藤田英留
宣伝
弊社の天然ミネラル貝化石肥料 “ミネラル富士”の20年以上使われているチラシの裏面に約55%含まれているコロイドケイ酸の図が、コロイドケイ酸がマイナスイオンで、プラスイオンの肥料分を根っこに吸収されるまで、土壌に捕まえておきますよ! ってかいてあります。
死んだ親父の作ったチラシですが、自慢のチラシです!
みなさんが良い一日でありますよう! 合掌。
大変わかりやすくまとめてくださいましてありがとうございます。
返信削除私の発言したとされる部分について補足説明です。
1.カルシウムCa+ --> Ca2+ (2価の陽イオン)
2.10の16乗-->グラフは自然対数なので10の8乗くらいになります
3.アメリカの友達-->元アメリカ粘土鉱物学会長
Cliff
4.「みぞらぼ」のページ
みぞらぼ
溝口 勝 @東京大学
溝口先生 お忙しい中本当に有難うございます。
返信削除お褒めの言葉を頂き感激です!!! また上記補足説明有難うございます、また間違い失礼いたしました、お詫び申し上げます。
溝口先生のように、人の為に役に立つブログに少しでもなればと精進していきたいと思います!
超多忙だと思います、お体あっての事ですので、ご自愛下さい。
藤田礦業株式会社
代表取締役 藤田英留
本文中のカリの件ですが、福島民報 http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/01/post_2931.html
返信削除昨年11月16日に基準値超えを出した福島市の大波地区で土壌のカリを調べたところ基準値を超えた水田ではカリウム濃度が100グラム当たり平均6.7ミリグラムで、一般的な農家の3分の1だったらしいです。
また伊達市旧小国村の基準値超えした農家の方は昨年使った肥料はカリウムと窒素、リン酸を配合した一般的な化学肥料だが、同じ地区内で同じ量の肥料を施したにもかかわらず、暫定基準値を下回った農家もあったそうです。
カリが少ないのではなく、カリを捕まえる粘土が少ない砂利田だったんではないでしょうか?